大きなファームと小さなファーム。働く人にとってどんな違いがあるの?という質問を良く受けます。それぞれの長所と短所は?
戦略ファームと呼ばれている会社の規模は、30名~200名ぐらいとバラツキがあります。「規模は力なり」の思想の元(?)なぜかこの業界は風習として「人数を多めに公表する」特徴があります。また人材の流動かが激しい業界ですから、一時的に人数が減少していたりすることもあります。従い、だいたい「公表数×0.7」ぐらいが実際にプロフェッショナルとして働いているコンサルタントの数だと考えるとちょうど良いのではないかと思います。 さて、そんな「戦略ファーム」ですが、大きな所と小さな所があります。働く人からみてそれぞれどんな長所・短所があるのでしょうか。私の知る範囲でざっくり書いてみます。(※あくまで私の知る範囲なので、真実かどうかは皆さんの目で確かめて下さいね) ■大規模戦略ファーム ◇定義と該当ファーム だいたいプロフェッショナルで100名近く居るファームがこれに相当します。感覚的にはマッキンゼー(200強)、アクセンチュア戦略G(200強)、ATカーニー(100以上)、BCG(100前後)、あたりが大規模戦略ファームと考えます。ベイン(公表80)は微妙なラインです。 ◇長所 人数が多いことのメリットは大きく3つあります。 1)選択の余地がある プロジェクトにせよ、プロジェクトメンバーにせよ、選択するという自由が与えられるのが大規模ファームのメリットです。「選択の多い社会は豊かな社会」ではないですが、選択肢があるというのは素晴らしい。嫌なマネジャー、嫌なメンバー、興味の無いプロジェクト、を避ける権利が与えられるというのは、とても重要なことです。小規模ファームの場合は選択の余地がありません。1つのプロジェクトが終わると「終わったメンバー」がそのまんま、「次に来たプロジェクト」に有無を言わさず投入されるパターンが結構あります。 2)教育研修等の社内制度がしっかりしている 人数が多い所ほど、研修がしっかりしている傾向があります。これも結局は「直接労働人員」としてカネを稼ぐコンサルタントが多い程、「外に行ってカネを稼がない間接人員」をたくさん養えるという単純な理由かと思います。小規模ファームの場合、入社して数日後にプロジェクトにぶち込まれたりしますが、大規模になる程、研修期間が長い・又は頻度が多い傾向があると思います。人事、経理、総務、といったいわゆる「アドミ」機能も大規模ファームの方が充実している傾向が強いです。 3)社内にナレッジが多い これも当たり前ですが、200人のコンサルタントが居る会社と50人のコンサルタントしか居ない会社では、単純に考えてもナレッジの蓄積速度は4倍違う訳です。新しいプロジェクトが来た場合、そのプロジェクトと類似するような過去のナレッジが存在する確率が大規模ファームの方が当然高い。あとさっきの「間接人員」が養えるという視点もあわせて「ナレッジマネジメント」がしっかり為されている傾向があると思います。 ◇短所 ※小規模ファームの長所を裏返して下さい。 ■小規模ファーム ◇定義と該当ファーム だいたいプロフェッショナルで50名前後のファームがこれに相当します。アーサー・D・リトル、ローランドベルガー、CDI、モニター、等々。ブーズはジェミニとくっついて大きくなりましたが、「小規模ファーム」のノリが残ってる気がします。(詳しくは知りませんが) ◇長所 1)育つのが速い 小規模ファーム勤務の最大のメリットはこれだと思います。とにかく何でもやらされます。選択の余地はありません。大規模ファームの場合は良くも悪くもインダストリーやイシューで担当が切れていたり、人数が多いので「マネジャーの仕事」「コンサルタントの仕事」「アナリストの仕事」ときちんと区分が為されていたりしますが、小規模ファームは何でもアリ。この状況を上手く切り抜ければ相当成長します。実際に「プロモーションまでの速度」で考えると(ファームによるレベル差はあるのでしょうけれど)小規模ファームの方が速い気がします。大規模ファームだと新卒3~4年での昇進に対し、小規模だと2~3年ぐらい。速ければ2年弱でも昇進します。但し逆にプロジェクトやメンバーに恵まれず順調に育たなかった場合は、教育の制度なども整ってないために、相当つらい目に遭います。 うーん。これ以外に思いつかないですね。「育つのが速い」の中身が幾つかにブレイクダウンされるのかもしれません。 _知識の範囲広くなる _若くして責任範囲が広い _決まりが無い分好きに出来る みたいな感じでしょうか。(でもこれって長所かな・・・) ◇短所 ※まるっきり、大規模ファームの長所の逆です。 ■まとめ どっちが良い悪いという問題でもありませんし、実際問題は「どのファームに入るか」を選べる程あちこちの会社に内定する訳でもありませんので、この違いを認識する意味は実はそれほど無い気がします。。。(^-^; ただ、強いて言えば「そういう傾向がある」ぐらいで、マメ知識程度に。。。
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