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ボストン・コンサルティング・グループ

2014年06月13日

【PCU インタビュー】

■インタビュイー高田さま
■お聞きするファーム:BCG
■聞き手:鈴木沙織(2014年 ADL内定者)

みなさま、はじめまして。
ADL内定者の鈴木沙織と申します。

いろんなファームの方にお話を伺うこのインタビュー企画、
今回は言わずと知れた有名ファーム、BCGの方にインタビューをして参りたいと思います。
たっぷり1時間インタビューをさせていただきましたので、ここでしか聞けない話もあるかと思います。どうぞお楽しみください!

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■簡単なご経歴・現在のお仕事など

―こんにちは、鈴木と申します。今日はどうぞよろしくお願いします。
では、さっそくですが、高田さんのご経歴を教えてください。

高田さん「よろしくお願いします。はい、私は大学卒業後、某コンサルティングファームAに入社したのですが、○年で某メーカーに転職しました。マブチには3年いたのですが、その後お世話になったのがBCGです。BCGは半年弱で退職し、今は教育系の起業をしています」

■入社のきっかけについて

―BCGに入社されたきっかけはなんだったのでしょうか。

高田さん「実はBCGは新卒のときのウィンタージョブに参加していたのですが、そのジョブ参加者のアルムナイというのがあるんですね。そこで声をかけられたのがきっかけです。私は97年とか98年のジョブ生なのですが、その同窓会パーティーが、たしかこれが某メーカーに勤務していたときにありました。そのときはまたコンサルに戻ろうとかは考えていなかったのですが、出席し、そこでいろいろお話したのが次に繋がった、ということですね」

―そんなパーティーがあるんですね。知らなかったです。高田さんにとってはそのパーティーでの印象が良くてBCGに決めた、ということになるんでしょうか。

高田さん「そうですね、BCGは名前が知られているファームというのもありますが、実際に入社しようというところまで思えたのは、接点があったというのが大きかったと思います。そこで出会った方も面白かったですし、ジョブのときにパートナーの家のホームパーティーに呼んでいただいたこともあったので、知り合いも多いしいいかなというのがありました。全く知らない人ばかりよりもいいですしね」

■入社してからのお仕事について

―入社されてからはどのようなお仕事をしていらっしゃったのでしょうか。

高田さん「いた期間が短かったということもあり、自分が直接関わらせていただいたのはデューデリ(注:投資家が投資をおこなう際や金融機関が引受業務をおこなう際、投資対象の実体やリスクを適正に把握するために事前におこなう多面的な調査のこと)だけですね。某電機メーカーの戦略デューデリをやっていました。具体的には、その会社さんが持っている中期経営計画の確からしさや妥当性を調査するお仕事です。この場合のクライアントはファンドと銀行団でした。

自分がやっていたのは何かと言いますと、中期経営計画の検証です。3年とか5年の中期経営計画を検討する中で、○○の事業でこれだけ成長します、というのがあるんですが、本当にそれだけ伸びるんですが、ということをいろいろなアプローチで検証していました」

―アプローチというのはどのようなものがあるのでしょうか。

高田さん「例えば、その事業が該当する市場がどうなるのか、という市場予測を立てること等です。そこでは、ただ世に出回っているような市場予測を使うのではなく、自分で予測を立てていきました。向こう何年かの環境要因を洗い出して、それぞれの要因が何%のインパクトを市場に与えるのか、という数字を置きながら、予測していきます。もちろんその何%、という数字も過去の事例から持ってきて説明します。こうしたバックロジックは本当にしっかりしていましたね。だから1枚の市場予測の資料を作るのに1週間とかかかってしまうんです。こうしたファクトへのこだわりはBCGならではだと思いますね」

―そうなんですね、やはりファームによってやり方が違ってくるということなのでしょうか。

高田さん「そうですね、戦略に再現性はない、という考え方のもと、”究極の一品料理を作る”という視点でひたすらファクトを集めてみんなで議論するというスタイルがBCGでした。この点、成功の方程式とかコンセプトチャートを書くことの多い某A社とは違うところかもしれません。」

―ファームの個性というのが少し見えたような気がします。他に、社員の方の雰囲気などでBCGの特徴というのはあるのでしょうか。

高田さん「社員の性質、というとよくも悪くもすごくオープンな方が多いと思います。正論をみなさん言っているイメージですね。正しいことを言ってるからいいじゃん!という方が多かった気がします。また、BCGをやめるときに何人かのオフィサーと話したんですが、そこでBCGの器の大きさを感じましたね。BCGでは一度仲間になった人はずっと仲間という考え方なんですね。やめる人は『あの人はBCG出身者!』と言われるように活躍し、残る人はやめた人が『いつまでもBCGが僕のいたファームだよ』と胸を張れるように頑張ることが役割なんです。変な偽りや気遣いがないのは気持ちがよいところでした。」

■入社前後でのファームに対する印象の違い

―では、少し話が戻ってしまいますが、入社前後でファームに対する印象は変わったでしょうか。もし変化があったら教えてください。

高田さん「大きな変化というよりも印象なのですが、一発ものではなく、安定した仕事が多いというのは感じました。また、みなさんも知っているような大きな会社さんがお客様なんですね。そして、そこのお客様と10年とか、長期間に渡って付き合っていたりするので、その分業界知識も豊富だし、信頼関係も厚い。あとは当時そうだったので今はどうかわかりませんが、私がいたときはみんな8時とか9時で帰る人が多くて、夜遅くまで残っている人があまりいないのに驚きましたね。」

―コンサルというと、1つのケース3か月、といったような単位でお仕事をされていると思っていたので10年の関係とは驚きです。その分関係性も濃いのでしょうね。

■そのファームの強み・長所

―今のお話につながるのかもしれないのですが、BCGの強みや長所があれば教えてください。

高田さん「前の話に関連して言うと、長いお付き合いのお客様が多いだけ、その分野の知見が社内に蓄積されていることです。それにパートナーとかマネージャーといった上の層の人たちがしっかりしている、つまり人材が分厚いというのも強みだと思います。具体的には、日本法人のスタッフは全部で300人ぐらいだと思うのですが、そのうちパートナークラスの人が3-40人、マネージャークラスの人が6-70人いるんですよね。これによって、BCGというブランドに恥じないものが提供できているのだと思います。いい加減なものは絶対に出さない、という意気込みは強いものがありましたね。
そして、今触れたブランドですが、やっぱりこれは強いと思います。というのも、ブランドがあるからこそ採用の段階でいい人が取れるっていうのもありますし、中途採用の人もマネージャーとかではなくて平の(ひらの)コンサルタントとして最初雇うんです。すると、元々コンサルタントという仕事をやったことがない人もここで鍛えられるので、クオリティがばらつかないんですよね。」

―なるほど、BCGというブランドとそれを担保する人材がそろっているということなのでしょうか。では、逆に、ここは少し弱みだなというところを教えていただけますでしょうか。

高田さん「弱みは強みの裏返しになるかと思うんですが、人材が分厚い分、プロモーション(昇進)がゆっくりなんですよね。下積みをしっかりやっている、とも言えるかと思うのですが。あとはブランドをしっかりと保持して、信頼を維持しなくてはいけない分、一か八か、といった危ないケースはできないですし、ケース自体の大きさもある程度必要になってきますね」

■どんな人が向いている?向いていない?

―そろそろインタビューを開始して50分ぐらい経ってしまったので、聞きたいことをさくさく聞いてしまおうと思うのですが(笑)、
今までのお話を踏まえるとどのような人がBCGに向いているといえるのでしょうか。

高田さん「そうですね、ゆっくりじっくり着実に成長していきたい人にはいいのではないかと思います。労働環境も恵まれていますし、仕事も大きい分学ぶことも多くると思いますし、
育成にも力を入れてくれるので。逆に、好きにやらせろ!というタイプには合わないかもしれません(笑)」

■ファームを卒業した理由

―今までお話をうかがってきて、BCGは非常に魅力的なファームだということを感じました。では、高田さんはなぜBCGを卒業されたのでしょうか。

高田さん「私は30歳で入社したのですが、先ほど言ったように昇進に少し時間がかかるので、下から着実にやるのは時間がかかる、と思ったからですね。あとは、コンサル→事業会社→コンサルと転職をしてきたので、事業会社の味を覚えてしまったというのもあるかと思います。コンサルが資料作って意思決定してもらう、トップダウン式で進めるのに対して、事業会社はボトムアップの仕事ができるんですね。上がわからずやでも現場が頑張って物事が進む、というのが事業会社かな、と。なので、現場と触れ合う仕事をしたくて教育分野で起業をしました。

■その他、未来の後輩へひと言

―最後に、未来の後輩へ一言あればお願いします。

高田さん「BCGは信頼も厚く、ブランド力もある素晴らしい会社です。ただ、その中で『俺たちBCGだから』と少し鼻にかけているような人もいます。なのでそのような人にはならないでください(笑)。あと、これはBCGだけでなくコンサルタントになる後輩みんなに伝えたいことなのですが、コンサルというものの付加価値の出し方が大きく変わってきていることは意識してほしいですね。私がコンサルタントをやっていたときは情報を持っていることが付加価値になっていましたが、今は誰でも情報にアクセスできる時代ですよね。それに元コンサルという先輩もいっぱいいます。なので、コンサルとしてどうやって価値を出していくか、は常に考えていただきたいと思います。でないと、単なる高級人材派遣になってしまうので」

―ありがとうございます。私自身も来年からコンサルで働くようになるので、ただ使われるだけの人にならないように考えていきたいと思います。
今回は貴重なお話をありがとうございました。

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みなさん、いかがだったでしょうか?
初めての記事ということで少し読みにくい部分もあったかとは思いますが、楽しんでいただけたでしょうか?

今後も他のファームを取材していきたいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください!

すずき