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リーダーシップとは

2013年10月25日

仕事を通じて私が感じている「リーダーシップ論」を少し書いてみたい。
 リーダーシップとは何だろうか。これが上手く説明出来る人は、それほど多くないと思う。私自身、現在はリーダーシップ研修の開発なども手掛けているが、そもそも、この問いを真正面から考えたことのある人はどれ程おられるだろうか。斯く言う私自身もそこまで考えた訳ではないのだが、コンサルで・事業会社で・日常業務を行いながら色んな人を見て感じている「リーダーシップ論」を書いてみたい。  一言で言えば、リーダーシップとは「人を引っ張って」「物事を進める力」だと思う。  ではまず、「人を引っ張る」とは何だろうか。人を引っ張るというのは、反対意見が出てもそれをねじ伏せて自らの意思を通し、望む方向に結論付けるということであろう。そのためには、兎にも角にも「結果にこだわる」という姿勢が大切である。そして、その結果を出すために自らが選んだ戦略、シナリオに確信を持っていることが必要である。  次に「物事を進める」とは何だろうか。それは「押したり引いたり出来る」こと、それから「自らの腰が軽いこと」だと思う。  なかなかリーダーシップ研修の場などで伝えるのは難しいのだが、以下自分の考えるポイントをまとめてみよう。 ●結果に執着すること  人を引っ張るためには、まず自らが「死んでも結果を出す」という強い意思を持つことから始まる。例えば、利益が出る会社は、なぜ利益が出るのか。確かにオペレーションが優れている、製品が優れている、提案力がある、など様々な要因はあるかもしれない。私がコンサルタントとして企業にお邪魔すれば、こういったKSF(成功要因)を幾つか洗い出して、強化することを提案するのが普通だ。  しかし敢えて過激な言い方をすれば、利益が出る会社はなぜ利益が出るのかといえば、それは経営者が「利益を出すこと」に固執しているからである。簡単に言えば、企業というのはお客様からお金を頂いてくる(売上)。それをサプライヤーや工場労働者に支払い(製造原価)、自社の従業員に支払い(間接費)、国家に支払い(税金)、経営者に支払い(役員賞与)、そして投資家に支払う。お客様から100のお金をもらった時に、誰に多く配分するかというのは会社の意思であると私は考える。「いえいえ、100ももらうと申し訳ないから95で結構です」とお客に5返す人もいるかもしれない。「頑張って働いてくれているので、あと5お支払いしましょう」といって、自社の従業員に払う人もいるかもしれない。ここで強烈に「いや、税金を払うのだ」「いや、投資家に配分するのだ」という強い意思が働かないと、「まぁいいか」になってしまって利益は残らない。  何が言いたいのかといえば、まずリーダーシップの条件として「とにかく結果に執着すること」が重要だということだ。企業経営の利益に限った話ではない。何をするにせよ、それを推進する人間が「死んでもやり遂げる」という強い意思と覚悟を持たない限り、物事は進展しない。 ●自らの戦略に確信を持っていること  結果に対する強い拘りを持った上で次に大事なのは、「自らの戦略に確信を持っていること」である。例えば新規事業を立ち上げるとしよう。全く新しいビジネスであれば、誰も見たことも聞いたこともない。当然過去の実績も無ければ成功事例も無い訳である。上手く行くのかいかないのか、はっきり言って「やってみなければわからない」という世界だ。様々な情報を集めて「類推」することは出来るかもしれないが、「では絶対に成功するんだな?保証しろよ?」とまで言われると、「絶対に成功する」とは誰も答えられない。  先のことはわからないから、一寸先は闇である。もしかすると大成功するかもしれない。でも下手をすれば大失敗をするかもしれない。目先にはとんでもない損失が出るけれども、将来にはとてつもない利益が出るのかもしれない。要するに「わからない」訳だ。  このような状況で、リーダーシップの無い人は「右往左往」する。簡単に言えば、ある人が道に迷ったとしよう。道が2方向に分岐していて、右に行くか左に行くかどちらかの選択肢しかない。ずっと右に進んでいくと、仮にどんどん道が険しくなってきたので「やっぱり逆だったかもしれない」といって引き返したとしよう。来たのと同じ距離を歩いて戻って、改めて左に進んでいくと、今度は大きな川が出てきた。「これならさっきの方がましだ」ということで、また戻る。更に同じ距離を右に歩いて、さっきの場所を通り超えて、もう少し行くと深い溝が出てきたとしよう。「うーん、だったら川を渡る方が良いかな・・・」ということで更に引き返す・・・  こんなことを延々と繰り返していたら、いつまで経っても物事は進まない。莫大な時間をかけても、いつまでもスタート地点の近くを行ったり来たりしているだけである。右なら右、左なら左、で決めた方向にどんどん突き_覆瓩弌_燭蕕_侶覯未禄个討_襪里法△澄_  ただ何の根拠も無く「左だ」と決め打ちして進むのは危険である。大事なのは「自らに確信を持つ」のではなく「自らの戦略に確信を持つ」ということである。根拠無く思いこみで自らを信じるだけでは、真のリーダーとは言えない。(それでも右往左往するよりは全然マシだが・・・)  真のリーダーとは、自らの頭で考えた上で「戦略」、つまりは長期的なシナリオに確信を持って行動をする。目先で何が起きようとあまり動揺しない。さっきの例で行けば「南の方角には海がある。海沿いには街があるはずだ」というような大きなシナリオが自らの中にあれば、多少道が細くなろうと溝が出てこようと、動揺すること無く突き進むことが出来るのだ。  何が言いたいのかといえば、リーダーシップで「結果に執着」した次に必要となるのは、「自らの頭で戦略シナリオを考えて確信を持つ」こと、そして「目先で何があっても右往左往しないこと」である。 ●押したり引いたり出来ること  自らが、結果に対する強いこだわりと、シナリオに対する絶対的な確信を持ったとすれば、次に大事なのは「他人を思い通りに動かす」ということである。  「押す」というのは、プレッシャーをかけたり怒ったりしながら、とにかく強制力でもって「やらせる」ということだ。これは簡単なようで意外と難しい。何が難しいのかといえば、単純に言えば「他人を押せば、自分が反作用で押し戻されるかもしれない」からだ。  「押す」ためには、「自らが動かないこと」が重要である。周囲の人が何を言おうと自分のポジションは絶対に揺るぎ無いものでなければならない。自らのポジションを固めるために必要なのは、過去の仕事の実績かもしれない。経歴かもしれない。多くの優秀な部下たちかもしれない。仕事の専門知識かもしれない。自らを支えるものは何でも良い。自分が動かないように、固定出来るものであればそれで良い。  リーダーシップの無い人は「押す」ことが出来ない。それは「押し返される」のが怖いからである。仲良く振る舞っておけば、絶対に相手から押し返される心配はない。押し返されるのが怖いのは、自らを支えるものが無いからだ。過去の実績が無い。優秀な部下がいない。知識や経験もない・・・。(と言う理由から「コンサルタント」を自らの支えにしようとする経営者は結構多いと私は思っている)  また、押すだけではなく「引く」ことも重要である。「押す」がプレッシャーをかけたり怒ったりすることだとすると、「引く」は任せたり、誉めたりすることだ。これも同様に実は結構難しい。  「任せる」のがなぜ難しいのかといえば、それは「自分の仕事を取られる」「任せた相手の方が自分よりも上手くやってしまえば、自分の立場がなくなる」といったことを色々考えるからだ。「誉める」のが難しいのも、似たような理由。リーダーシップの無い人は自分に自信が無いため「俺の方がうまく出来る」と自慢してしまったりする。部下と同じ土俵で競争するというのはナンセンス。任せて、誉めて、やる気にさせることが大切である。 ●腰が軽いこと  最後に重要なのは「腰が軽いこと」である。これはなぜかといえば、「他人が動いてくれなかった」場合には、結果を出すためには自分が動くしかないからである。結果に執着していれば当たり前のことであるが、目的のために自らがどんどん行動をして、周囲を巻き込んで行くことが重要だ。 (すみません、最後の方は眠くなったので意味不明かも。改めて書きます)